渋谷のスクランブル交差点は、サッカーのW杯の時などには大変な混雑となり、そのためDJポリスが現れちょっと心を和ませています。DJポリスが現れる度に話題になっていますが、社長がDJの役割をすることで、地元でダントツ人気の食品スーパーがあります。山梨県にあるのですが、今回は、この食品スーパーから欲求の本質に迫ってみたいと思います。
規模の小さな個人経営のスーパーは、一般にチェーン展開する大きなスーパーに品揃えと価格では敵いません。そのため、多くの個人経営スーパーは苦しい経営状況にあります。これからご紹介する食品スーパー(以後、Hスーパー)も8年ほど前には赤字だったそうです。
規模が小さいスーパーは、品揃えや価格以外の特徴を持たなければ、大手に対抗することは難しいのですが、HスーパーDJポリスならぬDJ社長が特徴となっているのです。
では、まずDJ社長が生まれたきっかけについて説明してみます。
元々は、大きなスーパーへの差別化として特徴ある商品を仕入れることにしたのです。しかし、特徴ある商品は珍しいため、その特徴を説明しなければことに気づきます。そのため、仕方なく説明を始めたのです。これがマイクを使ったDJ社長の始まりです。
必要に迫られて始めたマイクDJですが、このアドリブのDJが愛情あふれるものであり、かつ楽しいものでもあったため次第に評判になっていきました。
マイクDJで商品を説明するとその商品が売れる、従業員をイジると顧客もその従業員をイジる、するとそこに対話と情が生まれる、従業員を褒めると意欲が湧き元気になる、その元気を感じて顧客も楽しくなる、このような循環が起きているように思います。
なお、DJ社長が考えるいい店とは「みんなが幸せになる店」だそうです。
お金の循環もできていますが、DJ社長を核に、顧客と従業員と生産者の間に“情”の循環ができているのではないかと感じます。
このように“情”が循環することにより、オキシトシンホルモンが分泌され、おそらく免疫力が高まっていると思います。
人間の本質的欲求は、免疫力を高めたいという本能と密接に関係しているのではないかと感じます。