多くの感動と話題をもたらした平昌オリンピック・パラリンピックですが、大きな話題になった中に、カーリング娘の“もぐもぐタイム”がありました。今回は、このもぐもぐタイムについて考察してみたいと思います。
もぐもぐタイムで話題になった要素のひとつに、“食べているお菓子は何だ”ということがありました。このお菓子は、北見市の返礼品のひとつにもなっている清月の「赤いサイロ」というチーズケーキでした。これをきっかけに注文は10倍以上になったようです。
実は、カーリング娘に遡ること2カ月ほど前にもうひとつ話題になったもぐもぐタイムがあります。それは、X JAPANのYOSHIKI様のもぐもぐタイムです。
今年のお正月に「芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ!2018正月スペシャル」という番組が放送されたのですが、その番組に中でYOSHIKI様が待機中に食べていたお菓子は何だということがネットで話題になりました。そのお菓子は、“銀座あけぼののチーズおかき”だったようです。
カーリング娘の場合は、パッケージに特徴があるのためすぐに“赤いサイロ”と判明したのですが、YOSHIKI様の場合は、個包装になったものを拾い上げて食べているので、“どこの何のお菓子”かを特定することは簡単ではなかったのです。かなり難度は高かったと思うのですが、探し出した人がいました。そして、判明した時から注文が殺到し、販売サイトはダウンしてしまったのです。
さて、このもぐもぐタイムにおける一連の出来事には、いくつかの欲求の本質が関係しているものと思われます。
まず、ひとつ目ですが、“探し出したい”という欲求があると思います。二つ目は、“探し出したお菓子を知らしめたい”という欲求です。そして三つ目は、“もぐもぐタイムのお菓子を食べたい”という欲求です。
では、簡単にこの三つの欲求を考察してみたいと思います。
順序は逆になりますが、三つ目の欲求についてです。これは「美味しいものを食べたい」、「話題になったものを食べたい」という非常に単純な欲求だと思います。
次にひとつ目の欲求です。これには、宝物探しや知恵の輪を外したいというような知的パズルを解きたいという欲求があると思われます。しかし、それだけではなく、二つ目の欲求と関係しているような気がします。
二つ目の欲求は、“探し出した情報を知らしめたい”というものですが、この欲求は、“知らしめたいから探し出したい”という構造になっているのではないかと思います。すなわち、知らしめたいという欲求が、より本質ということです。
では、人は何故“知らしめたい”と思うのでしょうか。それは、自分が喜ぶことより、自分以外の人を喜ばす方が幸せを感じるためではないでしょうか。
人は、自分以外の人を喜ばせた時には、愛のホルモン“オキシトシン”が分泌され、そのことで幸せを感じるようです。自分を喜ばすことを行なってもオキシトシンは分泌されるのですが、それ以上に分泌されるのです。チーズおかきを探し出してその情報を拡散したいと思う背景には、喜んでもらえる人がいるという無意識の思いがあるのかもしれません。
人には、愛のホルモン“オキシトシン”が分泌されるような行動を採るという欲求の本質があるのではないでしょうか。まさに、情けは人の為ならずです。