第41回(2014.02.12)  「“常識ギャップ”の存在」

 ソチオリンピックが、次第に盛り上げってきているようです。世界最高レベルの技を見ることができ、順位を付けるという刺激があり、さらに国や地域に対する愛着という要素も加わった、大変優れたコンテンツというのがオリンピックであるのでしょうか。

このように様々なコンテンツをDeep Thinkingしてみることも面白いかもしれませんが、今回は、オリンピックが始まる前の岡崎朋美さんを追った番組にて、ちょっと感じたことをDeep Thinkingしてみたいと思います。

 岡崎朋美さんはご存じのように、スピードスケートで5度のオリンピックに出場しており、2010年には女児を出産しましたが、子供を育てながら今回のオリンピックへの出場を目指していたママさんアスリートです。番組は、オリンピックを目指す岡崎朋美さんを追跡するものでした。

 番組中で、子供に食事を与えるシーンがあったのですが、2歳の女の子は、食事に集中しませんでした。その時に岡崎さんが言った言葉が「ちゃんと食べないと、もうYOU TUBE見せないよ」というものでした。

言うことを聞かない子供に対して、多少の脅しをかけることはよくあることと思いますが、しかし、「YOU TUBE見せないよ」が、脅しになることに多少驚きを感じました。恐らく、この言葉は、現在子育てをしているママさんにとっては常識なのだと思います。

 私の常識では、「お菓子食べさせないよ」、「テレビ見せないよ」、「おもちゃ買ってあげないよ」などが脅しになると感じます。そのため、「YOU TUBE見せないよ」は、まったく頭に浮かびません。すなわち、現在子育て中の親と20年前に子育てをした親とでは、“常識ギャップ”が存在するということです。

実は、この常識ギャップは、会社の中にも多く存在しています。そして、このギャップがイノベーションの阻害要因になっていることもあると思われます。

 阻害要因になってしまう理由のひとつに、「常識ギャップは、論理では埋まらない」ということがあります。論理で埋まらないため、この常識ギャップは「感性の違い」や「価値観の違い」などと表現されてしまいます。「感性の違い」と言われてしまうと、議論のしようがなくなってしまい、結局声の大きい方の意見が通ってしまうということにつながっていきます。

 弊社としては、この常識ギャップを減らしていきたいと思っていますが、その取り掛かりとして、まずは「常識ギャップ」という言葉を広めていくことが必要ではないかと感じています。