第17回(2007.09.14)“裏○○”の魅力の真相

 裏事情、裏ワザ、裏ROM、裏DVDなど、“裏”がついた言葉はたくさんあります。名詞に“裏”という言葉をつけるだけですので、数が多いのも当然と言えるでしょう。

 ところで、この“裏”という言葉には、妙に興味をそそる力がありそうです。今回は、この“裏○○”についてDeep Thinkingしてみたいと思います。

 たとえば、「芸能界の裏事情」という言葉を聞いた時、皆さんはどのように感じるでしょうか。

 「芸能界も、表面的には華やかだけど、裏では、嫉妬があったり、ギャラで揉めていたり、わがままな振る舞いに困っていたりと、ドロドロした世界があるのだろうな。その辺りが分かるのかな。」

というようなことを考え、面白そうだと感じるのではないでしょうか。

 では、このことが面白いと感じる理由ですが、ひとつは、自分の仮説が検証されることに対する期待感があると思われます。仮説、あるいは予想を立て、予想通りになることにちょっとした喜びを感じる傾向が、人にはあるということです。そして、予想が当たると身近な人にプチ自慢をする訳です。こんな、ちょっとしたことに喜びを感じるのではないでしょうか。

 もうひとつの理由は、単純にプライバシーを垣間見たいという欲求です。何故か、プライバシーを垣間見て、それをネタに話をするということが、人は好きなようです。理性では、「人のプライバシーを知って何が楽しいの」と理解しつつも、「ねえねえ、知ってる?○○子ってさぁ。」というように話し掛けられると、本能的に耳に神経が集中してしまいます。写真週刊誌やワイドショーがなくならないのは、この欲求があるためではないかと思っています。

 また、パチンコの世界にある「裏ROM」というのも、パチンコの好きな人には非常に興味をそそられる言葉です。

 この場合は、情報に希少性があるということ、すなわち、その情報は、限られた人にのみ提供されているということ、及び「自分は得することができる、限られたグループに入っている」ということに対する優越感と得した感を感じるのではないでしょうか。

 “裏情報”と言われてお金を払ったものの、よく調べたら“裏情報”でも何でもなく、「裏切られた」という経験をした方も多いのではないでしょうか。

 しかし、そのような経験をしたにも関わらず、「いい裏情報がありますよ。」と言われると、やはり興味を持ってしまいます。

 これは、欲求の本質というより、人間の“性(さが)”なのかもしれません。