第16回(2007.08.03) 「新幹線に乗る人の変化」

 新幹線に毎週のように乗っているビジネスマンは、多いと思います。私も、ずいぶん前から毎週のように乗っている一人です。

 さて、今回は、新幹線に乗っている人の様子の変化について、Deep Thinkingしてみたいと思います。

 15年くらい前と現在における新幹線の様子の違いで感じることはいくつかあるのですが、変化したひとつに、缶ビールを飲むビジネスマンが減ったということがあります。

かつては、出張帰りの新幹線では、多くの人が缶ビールを買って飲んでいました。しかし、最近は、この人数が減り、代わってパソコンを開いている人、携帯電話を使っている人が大変増えているように感じます。実は、私もメルマガは、携帯電話を使って書くことが多くなっています。

では、何故、パソコンや携帯電話を使う人が増えたのでしょうか。

 一般的に考えられる理由は、時間に余裕がなくなっているということです。すなわち、必要に迫られたために、新幹線の移動中でも仕事をしなければならなくなったということです。これは、仕事しなければならないというニーズがあり、そのニーズを満たす手段としてパソコンや携帯電話というシーズを利用するようになったということを意味しています。

 本当に、このような単純な理由なのでしょうか。私は、この場合は、どちらかと言えば、パソコンや携帯電話のような「シーズがあったから行動が変わった」という要素が強いように感じています。すなわち、道具に合わせて時間の配分が変わってきた、というより、自分で変えたということです。

 多くの人は、残業をしてもいいという気持ちで仕事をすると、時間内の終わらずに残業となり、今日は残業をしないぞという気持ちで仕事すると、時間内に終わるという傾向があるようです。そして、これらの行動は、無意識に行なわれているようです。

どうも、先の道具によって時間配分が変わることも、無意識に行なわれているように思われます。

 忙しいために行動が変わってしまったと本人は思っているのですが、実は、道具によって、無意識に行動を変えたということなのではないでしょうか。

 道具によって、いつの間にか行動が変化していたというようなことは、意外に多いのではないでしょうか。無意識に行動を変えるような提案を企業から仕掛けられれば、新たな需要を創出できるかもしれません。