第12回(2007.07.08) 「怪しげな健康セミナー」の共通点 その1

 日本人の平均寿命は、男女ともほぼ順調に伸びており、世界でも1位、2位を争う長寿国です。この背景には、カロリーの低い日本食、そして医療の進歩があるものと思われます。

 ところが、怪しげな健康セミナーを覗くと、ほとんどのセミナーで、健康に対する危機感を煽る話をしています。「○○ガンで死亡する人が増えています。その原因は食生活の変化にあり、免疫力が低下していることにあります。この○○飲料は飛躍的に免疫力を高めるものであり・・・」という感じです。健康食日本、長寿国日本、という話は、ほとんど出てきません。

 買う側も納得して買っているので、外野がとやかく言うことではないですし、また、納得して飲んでいるからこそ効果があるかもしれません(このように、感情面が効果に影響を与える所が、健康商品の面白く、また複雑な所です)。

 それにしても、1本数万円もする飲料や70万円もする布団を、何故買うのでしょうか。

 もちろん、身体にいいと思ってことはベースとしてあるのでしょうが、新しい知識を教えてくれた、楽しい数時間、あるいは数日を過ごさせてくれた、など、買うに至るプロセスに対してお金を払っている要素も大きいのではないかと推察しています。

 従って、「末期ガンが半年で治る」などのように、あまりに誇大広告にならない限りは、大きな問題にならないのではないでしょうか。

 ビジネスモデルを考える際、“プロセスを売る”という面も考慮に入れることは、大切かもしれません。