第25回(2008.10.20) “おバカキャラ“って何?
- 2008.10.20
- 欲求の本質に迫る
某局のクイズ番組をきっかけに登場した“おバカキャラ”なる人達が大変な人気となっています。男女共におり、この人気は、意外と継続しています。
さて、この“おバカキャラ”とは、一体何でしょうか。今回は、このことについてDeep Thinkingしたいと思います。
まず、“おバカキャラ”の特徴について整理してみます。
“おバカキャラ”の人達は、クイズに対する正解率が低く、また珍回答をして出演者に小バカにされ、笑いを取ることに特徴があります。
あるいは、芸能レポーターが取り囲むインタビュー取材においては、レポーターと、次のようなやり取りが行なわれます。
芸能レポーター
「福田首相が辞任されると発表しましたが、知っていますか。」
“おバカキャラ”
「ええ!そうなんですか。知りませんでした。」
芸能レポーター
「ところで、福田首相のフルネームを知っていますか。」
“おバカキャラ”
「えーと、フクダタケオ?」
このような受け答えをして、質問したレポーターに満足を与え、視聴者の期待にもしっかり応える所に特徴があります。
ところで、このようなキャラクタは、どうして、面白いのでしょう。それは、恐らく、ボケに対する面白さと思われます。
漫才やコントでは、必ずボケとツッコミに役割が分かれています(中には、タブルボケというコンビも稀にあるようですが)。しかし、このボケとツッコミは、コンビの中での立場です。
ところが、おバカキャラの人達は、皆がボケです。すなわち、おバカキャラは、周りいる人達をすべてツッコミの役割にしてしまう“ボケ役”ということになります。
どうも、“おバカキャラ”の人達は、出演者と視聴者をツッコミとするボケというポジショニングを取っているということであり、もしかすると、これまでにない大胆なポジショニングをしているのかもしれません。
また、コンビにおけるボケとツッコミは、「芸」の領域であるのに対し、“おバカキャラ”は、天然の領域と思われます(もちろん、演じている部分もあると思いますが)。天然ボケというのは実に面白く、人は、天然ボケがかなり好きなようです。飲み会を開いていても、どこかに出かけても、天然ボケの人が一緒だと、実に場は和みます。
なお、天然ボケは、狙ってつくれないところに価値があります。これは、圧倒的な差別性です
人は天然ボケが好きであり、希少性があり、さらに差別性があって、そして大胆なポジショニング、これが、“おバカキャラ”の人気が継続している理由ではないでしょうか。
こんなポジションの商品を継続的につくっていきたいものです。
-
前の記事
第24回(2008.05.12) “隠れ家レストラン”があるのに、“隠れ家コンビニ”は何故ないのか 2008.05.12
-
次の記事
第26回(2009.03.30) 「新規事業開発の矛盾の背景」 2009.03.30