第5回(2005.07.27)「“ベタ”なドラマ」
- 2005.07.27
- 欲求の本質に迫る
今回も引き続き、韓流に関連したお話をしてみたいと思います。
先日、車を運転しながら何気なくラジオを聞いていると、ドラマの制作サイドの人が面白いことを言っていました(名前は聞き逃してしまい、読者の方にも、ご本人にも申し訳なく思います)。
その人によると、ここしばらく、所謂「“ベタ”なドラマ」というものは、日本ではほとんどまったく制作されていなかったそうです。何故ならば、視聴者の間から「あのドラマ“ベタ”よね」という言葉が発せられるようになり、制作サイドは、その言葉を「あまり好きではない」「ドラマとしては、あまり面白くない」という批判的な言葉として捉え、「“ベタ”なドラマは受けない」と思ってしまったためということです。
ところが、冬ソナを初めとして韓流ドラマには、「“ベタ”なドラマ」が多く、中には、“ベタ”を3つくらい並べてもいいほどの「“ベタ”なドラマ」もあります。その“ベタ”な韓流ドラマが大変受け、そして、その現象を見て、日本の制作サイドは自分達が思い違いをしていたことに気づいたというのです。それは、「“ベタ”なドラマ」はニーズがないどころか、むしろ好まれるということであり、「“ベタ”なドラマ」を、好む人は多いということです。
仲間由紀恵主演の「ごくせん」というドラマも、かなり「“ベタ”なドラマ」ですが大変人気が高く、「ごくせん3」も検討されていると聞いています。
思えば、吉本興業の芸人のギャグも、強烈にベタなものが多く、そのベタなギャグが出てくることを期待して見ています。そして、期待通り、ベタなギャグが出てくると、大変なスッキリ感を感じ、そして楽しく感じます。
ベタなドラマやギャグは、脳を刺激される意外性はなくても、常に安心して見ていられるという心の安定がもたらされるように感じます。しかし、「ベタなおやじギャグ」と言われた場合は、どのように解釈したらよいのでしょうか・・・
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